季節の端境期はセット販売のチャンス

 2月は総選挙の時期に日本列島を大寒波が襲った。東北や中部地方の日本海側では大雪の被害が報道された。その一方で、中旬には日中の最高気温が18℃を超えた日もあった。昨年は3月に夏日を記録するなど、気温の変化は年々読みにくくなっているが、ファッション衣料販売は気温に大きく左右される。消費者のニーズを見極めて、店頭への投入時期を見誤らないことが重要だ。

着回し例や組み合わせを提案

 気象庁の予報によると3月の気温は、沖縄・奄美の平年並みを除いて、北日本から西日本にかけては「高い見込み」としている。特に3月から4月にかけては「偏西風の影響で寒波の影響を受けにくい状況が続く」という。

 大手アパレルメーカーの春夏商戦を見ると、短い春と長い夏を見据えた商品提案が目立っている。1月半ばから春物を投入するアパレルも増えた。1月のセールは概して不振だったものの、軽く羽織れるハーフコートやアウター、カーディガンなどの春物のプロパーアイテムは比較的好調に売り上げを取ることができたようだ。

 横山町問屋街でも1月から2月に入って、春物が順調に動き出した。ある問屋は「年々、お客様である専門店が早い時期に動き出している」と話す。

 3月は冬の名残りと春の到来という端境期だが、ここ数年は気温上昇とともに春物が一気に動き出すこともある。関東や太平洋側は気温の上昇に備えて春物が本格化し、薄手ニット、ブラウス、カットソー、軽量ジャケットなどの動きが活発化する。

 一方で、北日本や日本海側は寒暖差が大きく、朝晩の冷え込みも残るため、カーディガンやライトアウターなど寒暖差対応商品の併売が欠かせない。卒業・入学、歓送迎会など行事需要も重なり、「きちんと見える春物」への関心が高まる。気温の変化に合わせて、段階的に進める品揃えが必要になる。

 専門店にとっては単品中心からインナーとジャケット、Tシャツとカーディガンなどといったコーディネート提案で客単価を押し上げるチャンスでもある。トップ、羽織り物、ボトムを組み合わせたセット提案は購買決定を早める効果がある。

 特にミセス・シニア層では、着回し例や用途別の着こなし提示が安心感につながり、購入意欲を高めることにもなる。

短い春、長い夏夏物仕入れの準備を

 3月商戦は、春物が主軸ながら一部で夏物の先行投入が始まる時期でもある。夏物の仕入れをどうするかを頭の片隅に入れておくことも必要だろう。

 アパレル各社や百貨店では、夏物商品の先行展開を3月からスタートする。ただし盛夏物の全面投入ではなく、春物と併売できる初夏対応商品を軸にした段階的な立ち上げが主流だ。半袖カットソー、薄手シャツ、清涼素材パンツ、軽量ワンピースなど、重ね着できる軽衣料の動きが先行する。吸汗速乾、接触冷感、UV対策といった機能素材の打ち出しも早まっている。

 横山町のある問屋は「3月には夏物をできるだけ揃える。昨年は3月に夏物を店頭に並べて売り上げを伸ばした」と話す。確かに昨年は3月には東京で25℃を超える夏日を記録して、来街する専門店は一気に夏物に注目した。

 問屋の動きを見ると、半袖カットソー、薄手ブラウス、清涼素材のパンツなど、3月初旬向けの商品展開では初夏まで着回せる実需型アイテムの提案を強化している。盛夏向けの強いデザイン商品よりも、重ね着対応ができる「軽夏物」が先行している。

 問屋は全国の専門店の情報を持つ。夏物がいつ動き出すかの判断は難しいが、情報をつかみながら夏物販売に向けた準備を整えていくことがこれからのポイントになる。