8月前半は猛暑が続く一方、関東では前線や低気圧の影響などから朝の気温が23℃前後まで下がり、真夏の中にも一時的に涼しさを感じる日があった。気象庁の発表によると、9月の東日本の平均気温は「ほぼ平年並」の見込み。暑さが残りながらも秋を意識し始める端境期を迎え、レディス専門店では夏物から秋物へ一気に切り替えず、羽織り物やベスト、ジレなどを使った重ね着(レイヤード)で季節をつなぐ提案を強めている。
9月は「ほぼ平年並」
朝を中心に気温が下がる日も見られたことで真夏の暑さに慣れた体には涼しく感じられる。日中は再び暑くなっても、朝晩の気温低下は消費者が秋を意識するきっかけになる。
気象庁の発表によると、9月の東日本の平均気温は「低い」30%、「平年並」40%、「高い」30%の確率で、「ほぼ平年並」の見込み。8月は「高い」確率が60%だったのに対し、9月は平年並へと移る予想となっている。 ただ、9月は平年でも日中の気温が高い時期だけに、本格的な厚手の秋物への切り替えより、実際の気温に対応できる商品が求められそうだ。
こうした気候を背景に、レディス専門店では夏から秋へグラデーションを描くような売り場作りが目立つ。実需で動く盛夏・晩夏物を一部残しながら、秋色や秋素材、長袖トップ、羽織り物を加えて秋のムードを高める。ウールやレザーのアウターを先行して見せる店もあるが、ノースリーブや半袖など軽いアイテムと組み合わせ、重たく見せないスタイリングがポイントだ。
商品ではデニムも引き続き有力。長袖のシアーデニムシャツやジーンズなどを軸に、初秋から着られるニットトップを組み合わせる。コンパクトなトップとボリュームのあるボトムのスタイリングなど、シルエットにも変化を加えて秋の新鮮さを表現することがポイントだ。
レイヤードが秋の入口
秋物への橋渡しとして特に重要になるのが重ね着(レイヤード)だ。日よけや冷房対策にも使える羽織り物をはじめ、シアー素材を使ったブルゾン、ツイード調のニットジレなど、気温に合わせて着脱できる商品が揃う。夏のTシャツにジレを重ねるだけでも秋らしい表情になり、気温が下がればインナーを長袖に替えることで着用期間を延ばせる。
サマーウールのシャツをTシャツに重ねたり、暑い時間帯には肩に羽織る、腰に巻くなど、着方そのものを提案する動きもある。 ジャケットやシャギーニットベスト、薄手のレザーシャツも秋の入り口の商品となる。レザーでは、長引く暑さでブルゾンが実売につながりにくかった経験から、今年は薄手のシャツにするなど、気候変化を商品企画に反映する動きも見られる。
朝晩には秋の気配を感じても、日中には暑さが残る。そんな時期だからこそ、夏服に「一枚加える」レイヤードが有効になる。暦ではなく気温と実需を捉えながら、「今すぐ着られ、秋まで長く使える」価値を分かりやすく伝えることが、今年の秋商戦のポイントになりそうだ。
秋コーデを提案
横山町奉仕会加盟各社はすぐに売り場に取り入れやすい秋らしいコーディネイトを提案する。
都繊維ファッションシティ(東日本橋2の17の4)は、デザイン性のあるアイテムを組み合わせ、初秋から楽しめる着こなしを提案する。シャツ感覚で羽織れるイタリア直輸入のデニムジャケットに、星モチーフの中をヒョウ柄プリントで仕上げたブラウス、タックが生む立体的なシルエットのワイドパンツを合わせ、遊び心のある大人のカジュアルに仕上げた。オーバーサイズのデニムジャケットとドルマンスリーブのブラウスに、花柄レースの切り替えが印象的なAラインスカートを組み合わせたコーデは毎年人気のスタイル。自社ブランド「KAVACH(カバチ)」ではフリル使いのパーカと袖タックがアクセントのTシャツに、デニム切り替えのフレアスカートを合わせ、軽快でフェミニンなカジュアルスタイルを提案している。
宮入(横山町6の18)はカジュアルなラインを提案する。パーカやプルオーバーは脇スリットや切り替えで着やすく、特徴的なデザインで、そこにチェック柄やとろけるような肌触りのホイップデニムパンツを合わせる。また、ワンピースとシルエットがキレイなパンツのコーデも人気を集めそうだ。
丸太屋(東日本橋2の26の8)はシアー素材のトップスと人気のバルーンパンツの組み合わせがオススメだ。シアークロスピンタックブラウスは前身頃のデザインが特徴。パンツはストレッチの効いたバルーンタイプで、昨秋では早めに欠品した人気商品。このほか、シアーデニムブラウスは今春ヒットした商品だ。パンツでは今年の新作、カーブパンツも期待できる。
パンツ専門卸の丸田産業東京支店(横山町2の3)は、秋の新製品として個性的なワイドパンツを投入する。ドット柄イージーワイドストレートパンツは立体感のあるフロッキープリントで華やかさを演出。硫化顔料ファスナーパンツは、味わい深い風合いとヴィンテージ感が特徴で、ワイドながら美脚を意識したシルエットに仕上げた。
