衣料から雑貨まで、専門卸が集積する仕入れのデパート


 東京・日本橋横山町の「横山町奉仕会館」は婦人服専門店にとって効率良く商品を探せる仕入れ拠点だ。問屋街の中心に位置する奉仕会館には、婦人服を軸にカジュアルウェア、バッグなど、それぞれに特徴を持つ専門卸が入居する。一つの館の中でテイストやカテゴリーの異なる商品を見比べ、店の顧客に合わせて組み合わせて仕入れられることが大きな魅力だ。

個性派卸が揃う

 館内では婦人服の「ヴェルニィ」「ジェルムラカミ」「ピース」などが営業し、それぞれの得意分野を生かした商品を提案している。さらにカジュアルウェアの「バンブー1」「バンブー2」があり、専門店が日常のコーディネートに取り入れやすいカジュアルアイテムを探すことができる。

 婦人服だけでなく、バッグの「ボルサ角萬」やアクセサリーの「OZ」が入居していることもポイントだ。バッグやアクセサリーは、婦人服とのコーディネート提案や客単価アップにつなげやすい商材。衣料品の仕入れと同時に服飾雑貨まで確認できれば、売り場全体をイメージしながら商品を組み立てることができる。また、ダンス衣装の「ジョアン」、学校用品の「西村商店」や「宮入第一支店」などもある。

 こうした異なる特徴を持つ卸商が同じ建物に集まっているため、来館した専門店は各フロアを回りながら商品を比較できる。ベーシックからデザイン性のある婦人服、カジュアルウェア、バッグまでを一館で探せることは、限られた時間で仕入れを行う地方専門店などにとってもメリットが大きい。

 ECでの仕入れが広がっても、婦人服では素材の風合いや色、シルエット、サイズ感など、実際に商品を手に取って初めて分かる要素が少なくない。卸担当者から商品の特徴や売れ筋、着こなしなどの情報を聞きながら仕入れられることも、リアルな問屋街ならではの価値となる。

問屋街の発信拠点

 会館を拠点とする横山町奉仕会は90年以上にわたって卸商と全国の小売専門店を結んできた。情報提供や仕入れ支援などに加え、企業間決済用の「yhカード」を導入するなど、専門店が取引しやすい環境づくりにも取り組んできた。

 地域では問屋街の商業機能を生かしながら、新しい事業者や来街者を呼び込む街づくりも進む。奉仕会館は、商いを軸に人や情報が集まる拠点としてその一翼を担っている。

 婦人服、カジュアルウェア、バッグと、専門店の売り場づくりに必要な商品を一館で見て回り、卸商と相談しながら仕入れることができる横山町奉仕会館。長年培われてきた問屋街の「商品を見て、比べて、選ぶ」という魅力を凝縮した仕入れ拠点として、専門店に改めて利用を呼び掛けている。