春らしいカラー、機能、素材がポイント

年初から春物始まる

 横山町問屋街では年明けから春物商品をスタートさせる問屋が増えた。春物は1月末から本格化するが、すでに春物に切り替えていたり、徐々にではあるが早めに売り場に投入したりする卸が増えてきた。

 1月4日の初市から春物の先行予約会を開いたのが宮入(横山町6の18)だ。「2023婦人アウター春物展示予約会〜春のニューベーシック〜」で、1階ではカットソーやニット、2階ではコートやジャケット、パンツなどの春物アイテムを数多く展示した。「すでに春物の仕入れにシフトする専門店も多く、昨年同様に年初から開催した」(同社)という。納品は2月に入ってからになるが、すでに「例年の売れ筋商品を中心に多くの予約が入っている」としている。このほか、大手では丸太屋(東日本橋2の26の8)が2月5〜14日の間、「2023婦人春物パンツ『春物新作展示発表会』」を予定している。

 コロナ禍はすでに3年が経過したが、専門店にとってはいまだに顧客の動きがつかみづらい状況が続いている。行動制限がなくなっているが、コロナの感染拡大は収束していない。先手、先手の取り組みで顧客にアピールする動きが強くなっている。

自社らしい春物

 先行して春物を投入した各社は、それぞれの持ち味、得意とするデザインやアイテムを揃えた。カジュアルなテーストからエレガンスのラインまで、問屋街では幅広く商品を選ぶことができる。

 アクロス(横山町6の15、5ページ)は問屋街で最も早く春物商品を本格的に販売する卸だ。アンジェリーナLOX店に統合していたスポーティーカジュアルとダンス衣装のMAX店を昨年5月に再開。今年は3年ぶりにフルラインで提案する。アンジェリーナでは持ち味のアンサンブルのラインを充実させ、ビッグサイズのLOXではチュニック、MAXは例年好評のジップティーがおすすめだ。

 日本製で、上質な商品を提供するニューいちやま(横山町8の14、5ページ)はカーディガンやジャケットを先行させた。特に綿ローンのブラウスジャケットは難しい生地裁断と縫製で仕上げたもので、専門店にとっては単価の取れる商品だ。

 内藤商事リラレーヌ(東日本橋3の13の1、7ページ)はブルゾンやハーフコートがイチオシだ。異素材を組み合わせたブルゾンはカジュアルな装いにマッチする。また、「毎年の売れ筋」というダンボールハーフコートは「すでに受注が入って、好調な滑り出し」としている。

 インポートに特化した都繊維ファッションシティ(横山町10の14、7ページ)はジャケット、インナー、パンツのコーディネートで提案する。同社はイタリアのほか、フランス、アメリカから直輸入しており、すでに多くの春物が店頭に並ぶ。ポップなカジュアルラインやちょっとシックなエレガンスラインなど、人気のアイテムが充実している。

店頭で意識づけ

 冬物商戦は、期待したほどの盛り上がりはなかった。11月は暖かい気候が続き、冬物アウターが伸び悩んだ。ある地方の専門店は「冬物を追いかけすぎると春商戦に出遅れる。早めに準備する」と、1月の3週目に春物を仕入れに訪れた。「事前に問屋の担当者と商品の打ち合わせをしてから上京した」と話す。

 「このコロナ禍でも次シーズン物に早めに取り組んでいる専門店が売り上げを落としていない」と話すのは大手卸の担当者。店頭の一角に春物商品を少しでも並べれば、来店客は「春の到来」を意識し始める。春物の現物を見ながら、お客様と話すことができれば、売れそうな商品の手応えを感じることができるだろう。春商戦は2月下旬からが本番だが、先手の取り組みで商機をつかみたい。

 

春らしい花柄プリントとレイヤードの着こなしを楽しむ

アクロス  アンジェリーナ&LOX 03-6661-1371 、MAX 03-3639-0838

①レースアンサンブル(アンジェリーナ、左) 春らしい花柄レースで、ジャケットとしても。アイボリー、白、ネイビー。ナイロン60、綿40%。M〜L。卸値2980円。アンサンブルは各種取り揃えている。

②ビッグサイズチュニック(LOX、中)バッグを肩から掛けたようなデザインが特徴。ストラップの部分はプリントではなく、ストーンで立体感を出した。赤、ロイヤルブルー、黒。ポリエステル95、ポリウレタン5%。XL。卸値1980円。

③ボーダー切り替えジップティー(MAX、右) ジップ使いで人気のアイテム。ストライプの切り替えのデザイン。黒とネイビー。ポリエステル60、レーヨン35、ポリウレタン5%。ML。卸値1980円。

                   

 

日本製の上質な素材と縫製にこだわる 合わせやすいカーデとジャケット

ニューいちやま03-3666-4646

①カーディガン(左) 夏でも着られる薄手で、柔らかい肌触りのニット素材を使用。ベーシックな色使いで、ポップコーン柄を織り込んだ。アクリル47、アセテート53%。ベージュ、エンジなど5色。フリー。卸値5980円。品番71001。

②綿ローンブラウスジャケット(中) 変形格子柄のミックスデザイン。MとLで同じパネル取りで裁断している。綿100%。ネイビーと黒。MとL。卸値5500円。品番0049。

③Tブラ(右) ボトルネックのデザインで、伸縮自在の縮緬ニットと前ファスナーで着やすい。ポリエステル95、ポリウレタン5%。ベージュ、グレー、ネイビーの3色4柄。MとL。卸値3580円。品番333-66。

       

 

肌触りのいい上質素材で鮮やかな春色を楽しむアイテム揃う

宮入1階03-3663-5221

①国産強撚糸カットソー(左) 腕部分にレース使いのデザインが特徴で、サラッと感があり、肌触りのいい上質素材を使用した。白、ベージュなど7色。レーヨン75、ポリエステル25%。フリー。卸値2480円。

②パワーネットリバーシブルカットソー(中) 表が花柄、裏が無地のリバーシブル。襟元と袖口にメロー加工。ピンク、グリーンなど2柄4色。ポリエステル100%。フリー。卸値2480円。

③シルク混トッパー(右) リヨセルやシルク素材の混紡で、柔らかい風合いが特徴。どんなインナーでも合わせやすい。ブルー、グリーンなど4色。レーヨン38、リヨセル45、綿11、シルク6%。フリー。卸値2480円。

        

 

春の季節に持っておきたいライト感覚のジャケット&コート

宮入2階03-3663-5222

形状ギンガチェックジャケット(左) 大格子と小格子を組み合わせたデザイン。フード付き。ネイビーと黒。ポリエステル100%。M、L、LL。卸値3980円。

②綿ナイロンコート(右) ベーシックなカラーでシンプルだが、2枚襟で変化を付けた。ピンク、ブルーグレーなど4色。綿55、ナイロン45%。M、L、LL、3L。卸値3980円。

     

 

春らしいカラーの軽やかなブルゾンとコートがオススメ

内藤商事リラレーヌ03-3663-6872

①ノーカラーデニムリブ使いブルゾン(左) デニムとニットの異素材の組み合わせが特徴。襟元にリボン使い。綿100%。ブルーとネイビー。M、L。卸値4980円。

②デニムブルゾン(中) スタンドカラー。切り替えで、レイヤード風のデザイン。ドットボタンを使用している。綿98%、ポリウレタン2%。サックスとネイビー。サイズはM、L。卸値4980円。

③ダンボールハーフコート(右) 毎年の売れ筋人気商品。2重のスタンド襟のデザインがかわいい。ファスナーにリボン。ポリエステル70、レーヨン25、ポリウレタン5%。ベージュ、グレー、ネイビー。サイズはM、L。卸値4980円。

      

 

カジュアルからエレガントまで、イタリア直入の春のコーディネイト

都繊維ファッションシティ03-3662-3861

①ナイロンパーカ+ニット+カットパンツ(左) パーカはダブルジップを使用し、春色のニットを合わせる。パンツは毎年の売れ筋。パーカ=グレー。フリーサイズ。卸値8900円。ニット=ベージュ、グリーン。卸値7400円。カットパンツ=グリーン、ブラウン、黒。卸値4950円

②パーカ+カットソー+デニム(中) カラフルパーカとカットソーのカジュアルコーデ。パーカ=グリーン、ピンク、ブルー。卸値5950円。カットソー=黒、ベージュなど6色。卸値2950円。

③合皮ショート丈ジャケット+ブラウス+レーススカート(右) ジャケットを合わせてクールでエレガントなコーデ。ジャケット=ベージュ、黒など色多数。卸値2950円。ブラウス=黒毛糸ベージュ系。卸値2950円。レーススカート=黒とベージュ。卸値3950円。