第2回  モール型3社の比較と費用感

中村 圭輔 横山町奉仕会企画室副室長 ・株式会社リーチ部長

 前回ご紹介させて頂いた三つの出店方法のうち、今回は比較的ネットショップ開設が簡単なモール型についてお話しします。モール型は主な通販サイトに自店の商品を出品することです。表1をご覧ください。通販サイトによって違った特徴があります。

表1  大手通販モールの比較

〈アマゾン〉

同じ商品は1ページを共有して販売するので掲載済みの商品は売値だけでいい

・未掲載の商品掲載や送料設定に少し癖があってわかりにくい

・アマゾンに商品を預けることで注文即出荷が可能になる。購入者の満足度

 が高められる(有償)

・アマゾンプライム会員に訴えかけられる商品がよく売れる

・価格競争が激しいのでよく調べてから出店したほうがよい

・検索順位や商品購入ボタンの優先度などがアマゾンの政策に協力的なお店

   が優先される印象がある(アマゾンの倉庫に預ける・プライム会員商品になる等)

・売上規模が大きく、多くの商品が出ているので販売機会も多いが、商品が

   埋もれてしまうリスクもある

〈ヤフー〉

・運用費用が比較的安い  

・自社HPの宣伝など販売以外のことができる

・商品掲載や送料設定はテンプレートがあり、わかりやすい

・同一商品の比較がしにくい作りなので価格競争より商品説明や検索ワードが重要

・Paypayの利用を促すセールが最近多い  ・ヤフー負担のセールがある  

・小規模店舗の出店が多い  ・モールとしての規模が2社と比べると小さい

・ZOZOTOWNやLINEとの提携でこれから変わってくるかも?

・月額11万円の売上を達成してから各種サービスが使えるようになる

・サポートは担当者によって異なるが、質問したことに回答してくれる人がよい

〈楽天市場〉

・月額費が高額な分、商品掲載や販売方法のコンサルタントをしてくれる

・様々な業種や企業規模が出店している

・楽天の他のサービスとの連携などを目指しているので多くの新サービスがある

・テレビ広告なども積極的

・商品掲載や送料設定はテンプレートがあるのでわかりやすい

・同一商品の比較がしにくい作りなので、価格競争より商品説明や検索ワー

  ドが重要

●主な費用は三つ

 販売は売上を取るため、利益を生むために行います。そこにどれくらいの費用がかかるかを理解しましょう。

 モール型は主に三つの費用が発生します。「月額固定費」「売上手数料」「広告費」です。月額固定費は毎月かかる出品料、売上手数料は売上高によって発生する手数料です。広告費については後で詳しくお話しします。

 表2は大手通販サイトの経費を比較したものです。自店の商品をサイトで販売したときにかかる費用の概算です。例えば月の売上が100万円としたときの経費が表3です。これは月の売上によって計算が変わってきます。

表2 代表的なモールと費用感(価格は全て税抜)

表3 出店料=月額固定費+(売上額×売上手数料)

HPモール型比較

●主な広告タイプ

 アマゾンと楽天は、売上手数料や月額費とは別に広告費を支払う必要があります。ヤフーは売買成立時のみ、ご自身で指定した比率の広告費が請求されます。

 そもそも通販モールの広告費は何だと思いますか?

サイト内順位を上げる

 一つは、サイト内で検索したときの順位を押し上げる広告です。サイト内の検索は、通常、売上実績のある出店者と売上実績のある商品が上位に来るようになっています。ですから初出店、新商品が不利になる傾向があります。その打開のために広告費を使用します。広告費をかけることで、本来は検索順位が下位になる商品を上位に表示してもらい、多くの人の目に留めてもらうことで販売を促進していきます。店頭のゴールデンゾーンに商品を置いてもらうイメージです。

・お勧めとして掲示

 二つ目は、モールのトップページに掲載したり、お勧め商品として紹介してもらったりする方法です。洋服のジャンルの最初に必ず表示してもらうことで目立たせる役割があります。お店のショーウィンドウに飾ってもらうイメージです。

 どちらがいいかは商品によって異なります。少額で試してみたり、どういった商品が広告として掲載されているのか見ることでモールの客層がわかります。

・人気ブロガーに依頼

 三つ目は「アフィリエイト」という広告です。これは、検索サイトの広告やブログなどで見かける商品画像が切り替わるものです。ブログやインスタグラムなどのSNSを行っている人に宣伝してもらうものです。売上の一部を支払いします。「インフルエンサー」と呼ばれる人気のブロガーは多くの人に影響力を持っています。彼らに良い商品と思ってもらえて、かつ広告比率が高ければ一生懸命に宣伝してくれます。

ネットショップの開設をお考えの方は、横山町問屋新聞編集部(03・3661・2300)、または㈱リーチ(03・3664・5355、中村部長)までご連絡ください。