横山町問屋街は冬物の仕入れで活気を取り戻しつつある。「まだ例年には届かない」という声が多いが、ここにきて秋冬物の仕入れに訪れる専門店は確実に増えている。特に10月に入ってから気温が下がり、晩秋物の動きがいい。消費者の巣ごもり疲れやGO  TOキャンペーンの効果も後押ししている。今年の冬は平年並みの気温といわれる。顧客への販売チャンスをしっかりとつかみたいものだ。

消費マインドに変化

 10月19〜22日の間、横山町奉仕会で開催した「冬のスタートセール」には多くの専門店が仕入れに訪れた。各問屋前には配送を待つ多くの段ボールが積み上げられ、店内にも取引先がピックアップしたハンガーラックが置かれていた。まだまだ昨年のようにはいかないが、問屋街からは「やっとお客様が戻ってきた印象」や「遠方のお客様からの電話問い合わせが増えた」という声が次第に大きくなってきた。

 コロナ禍は私たちに外出自粛や行動制限を強いてきた。そのストレスは様々な場面で問題視されている。ここにきて感染者数が劇的に減少したわけではないが、我慢してきた反動が消費マインドを刺激しつつある。問屋街に訪れる専門店は敏感に反応し、秋冬物を積極的に仕入れたということだろう。

 各問屋にはアウターを中心に冬物衣料が揃った。メーカーの生産減やバリエーションの絞り込みなど、各問屋は仕入れに苦労しながらの品揃えだが、各社とも個性ある商品を提案している。

冬の気温は平年並み

 ファッション衣料は気候や気温に左右される。暖冬になればコートや防寒アウターの動きが鈍くなる。

 気象庁は3カ月予報で10〜12月は平年並みの気温としている。東北、北海道の寒冷地ではやや平年よりも高くなると予想されているが、関東甲信越から西日本にかけては「ほぼ平年並みの気温で推移する」としている。ここ数年、東京の最高気温は11〜13℃前後、最低気温は3〜5℃前後、平均気温は8℃前後だ。コロナ禍で外出自粛の傾向が続くとしても冬物アウターの需要は必ずある。旅行や外食などの機会が徐々に増えていけば、専門店にとって売り上げを取り戻すチャンスがある。販売の機会ロスだけは避けたいものだ。