問屋街活性化委員会(三上明夫会長)は10月20日、繊研新聞社の古川伸広本社編集部記者を招いて、「コロナ前と後のアパレルと小売りの変化」をテーマにした勉強会を開いた。

 古川記者は「ファッション衣料のアパレルはこの2年間で売り上げを回復しつつあるもののコロナ前の水準には戻り切ってはいない」とする。ただ、コロナ禍にあって若い世代のゴルフブームやキャンプ人気などもあり、スポーツ系アパレルは「大きく売り上げを伸ばした」という。一方、大手小売りも同様に増収傾向だが、コロナ禍前には届いていない。その中でレディスではしまむら(埼玉県さいたま市)がコロナ禍でも売り上げを伸ばし、またワークマン(東京都)は「機能性にデザイン性を加えた商品開発とレディスまで領域を広げた業態開発で大きく成長した」という。

 一方、地方専門店で成長したのはネット販売に力を入れた店舗で、OMO(オンラインとオフラインの融合)によって全国に商圏を広げた。また、衣料だけではなく、美容室やネイルといったおしゃれの周辺ビジネスを始めて衣料販売につなげた例が紹介された。古川記者は「専門店の強みは地域に根ざしていること。マスを対象にしたファッションビジネスが難しくなっている中で、地域のお客様を知り、そのお客様に向けた提案を強化している店はコロナ禍でも売り上げを落としていない」と強調した。