4年ぶりに夏が帰ってくる。コロナ禍の制限がほぼ撤廃され、今年はコロナ前の状況に近づいていきそうだ。コロナがインフルエンザと同じ5類に分類され、行動制限がなくなったことで、ゴールデンウィーク(GW)には多くの人が観光地を訪れた。祭りや花火大会も各地で開催される。物価高による消費マインドの冷え込みは懸念されるが、店頭で夏を楽しむ提案をしていきたいものだ。

 

5月は各地で真夏日続出

 気象庁が発表した「3カ月予報」によれば、6月は全国的に平年よりも気温が高い確率が50%以上と予想されている。5月にはすでに各地で真夏日を記録。熱中症への警戒が喚起された。地球温暖化の影響か、年々気温の上昇が早くなっている。GWは一部、天候に恵まれず、5月は寒暖差が大きい状況が続いたが、6月には本格的な夏がやってきそうだ。

 一方、梅雨入りは「平年より遅く、梅雨明け平年並み」(ウェザーニュース)と予想されている。例年であれば関東甲信は6月上旬に梅雨入りし、7月20日前後に梅雨明けするが、今年は梅雨入りが6月中旬と例年よりも遅く、梅雨明けは7月中旬で梅雨の期間は例年よりも短いと考えられている。梅雨明けからは本格的な夏シーズンが始まる。

 この夏も猛暑が予想されている。今年は昨年までと状況が大きく異なる。GWには多くの人が移動し、観光地はどこも盛況だった。また、政府の入国制限撤廃以降、インバウンド(訪日外国人)はコロナ前の水準まで戻りそうな勢いだ。消費者のニーズはどこにあるのかを見極め、店頭で展開する商品を仕入れていきたいものだ。

イベント復活を追い風に

 祭りや花火大会も実に4年ぶりに開催される。多くの人が待ち望んでいた賑わいが戻ってくる。

 5月には全国の先陣を切って、「神田明神・神幸祭」(通称神田祭)が開かれ、境内には多くの人が詰めかけた。協賛した横山町も4年ぶりに「横山町大祭」を開催し、地域で営業する企業や問屋、住民など300人を超える担ぎ手が集まった。

 祭りは街を活気づける。祭り衣装や和小物の専門問屋、丸三繊商(横山町5の4)の村上信夫社長は「4年ぶりに全国の専門店から問い合わせをいただいている」と話す。半纏や鯉口シャツなどは地域の小売店が祭りに参加するチームを取りまとめて名前入りの揃いを発注するケースもある。「浴衣やバッグなど、衣料専門店からの問い合わせが多い」と、開催時期に合わせて店頭でおしゃれな浴衣やグッズをディスプレーして販売する。また、バッグのボルサ角萬(奉仕会館1階)は和装にもマッチするポシェットや携帯ケースなどが好調だ。

 祭りやイベントは衣料専門店にとってもビジネスチャンスだ。顧客ニーズに適した独自の商品仕入れで、ぜひとも売上げにつなげていきたい。

物価高への懸念

 明るい話題ばかりではない。先頃、電力9社の値上げが発表されたが、食料品も値上げが続いており、物価上昇による買い控えなどが懸念されている。

 総務省が発表した今年3月の消費者物価指数は2020年を100として全体の指数で104・4、同月比では3・2%上昇している。特に食料品は前年同月比の指数で110・4と、7・8%も上がり、電気代と共に家計を圧迫している。

 一方で物価上昇に見合う賃金の上昇は見られない。今年の春闘では賃上げが大きな話題になったが、それはごく限られた大企業の話で、多くはなかなか所得が伸びていかないのが現状だ。

 消費者の支出はよりシビアになってくる。GW商戦は、ホテルや旅館、観光地は盛況だったが、地域のSC(ショッピングセンター)などの商業施設は「期待したほどの来館者数ではなかった」という声が聞かれた。ファッション関連の商品もそれほどは伸びなかった。

 横山町奉仕会の西沢郷会長は「衣料品など嗜好品の節約志向が高まっている」とした上で、「店頭を訪れるお客様にタイムリーで、魅力ある提案が何よりも大事」と話す。品質やデザイン、そして価格と、お客様に支持される商品を横山町の問屋は提案している。商品を吟味し、自店のお客様に受け入れられる商品を見つけ出すことが大事だ。