横山町奉仕会は令和6年度の定例総会を開催した。令和6年度事業・決算・監査報告、令和7年度事業計画・予算案が審議され、いずれも可決した。

 総会の冒頭、西沢郷会長は「食料品の値上がりが続き、日本人の主食である米の価格が大きく跳ね上がりました。生活に追われる中で、衣料品などの嗜好品の消費マインドが減退しています。一方で、物価を差し引いた24年度の実質賃金は3年連続のマイナスとなりました。大手企業は2年連続で大きな賃上げを実現しましたが、中小企業にとっては厳しい状況が続いています」と挨拶した。

 議長に選出された西沢会長によって議事が進められた。令和6年度の奉仕会としての活動、会として参加する問屋街活性化委員会での活動、横山町馬喰町街づくり株式会社での活動、令和6年度決算が報告された。その後、令和7年度の事業計画・予算案が審議され、全会一致で了承された。

■活動報告

●奉仕会活動

① コロナ融資の返済等に関わり、この街に関係のある銀行や信用金庫などの金融機関の皆様には横山町奉仕会加盟各社の皆様の借り換え等のバックアップを常にお願いしています。

②SNS を通じて、奉仕会の売り出しなど、集客につながる魅力ある情報等を発信しております。

③ 横山町問屋新聞を最大限に活用し、お客様に売れ筋商品や売り出し、街の状況、活況の様子を毎月お知らせしています。

④各社は独自のサービスによって顧客である専門店の皆様を支援しています。

⑤ オリコ様の協力を得て、事業部を中心にyhカード会員の拡大、売上げの増大に向けて全力で取り組んでおります。

⑥ 問屋街活性化委員会、横山町馬喰町街づくり株式会社と連携し、問屋街の発展に努めています。

●問屋街活性化委員会の活動

① 文化服装学院との産官学連携事業

・「BUNKAファッション・オープンカレッジ」を3回開催いたしました。横山町、馬喰町の問屋で働く人や専門店の方など多くの人が参加し、好評を得ました。

② 学識経験者との勉強会、研修会

・卸商社と顧客である専門店を対象に「企業成長に向けて課題解決のためのワークショップ」「IT活用セミナー・企業の負担軽減で業績UPへ」を開催しました。

・明治大学経営学部岡田浩一教授のご指導のもと、新潟県燕市、三条市にて視察研修を行いました。株式会社スノーピーク、株式会社玉川堂を訪問し、経営方針や物づくりへの取り組み、燕商工会議所では街づくりや産業振興のお話を伺いました。

 締めのイベントとして株式会社浜野製作所の浜野慶一会長・CEOを講師にお迎えして、中小企業生き残りのスキームを学びました。

③ 中央区内小学校の社会見学受け入れ

 6校が横山町問屋街を訪れました。

●横山町馬喰町街づくり会社の活動

① 「日本橋横山町・馬喰町エリアさんかくプログラム」を継続

 横山町馬喰町街づくり株式会社、UR都市機構、株式会社エンジョイワークスの三者が協力し、遊休不動産を活用する事業者を募集。チャレンジを支援する事業推進プログラムで、現在は「日本橋さんかく不動産」が受け皿となり、マッチングを行っています。

YYパーク隣接地に「YY BASE」が竣工

 東京都中央区、UR都市機構(東京)と協力し、問屋街での事業継続を可能にするモデル事業として「YY BASE」を建設しました。デザインコードに則った2階建てで、1階は小売店や飲食店などの店舗、2階は街の交流、活性化を促すインキュベーションオフィスを誘致する予定です。

③ 「問屋街ヴィジョン」の見直しに関して

 2016年に策定された「問屋街ヴィジョン」について商環境や街並みの変化に対応したアップデートの検討を重ねています。「豊かなライフスタイルを創造し進化し続ける問屋を核とした商工住混在都心」という根幹部分は維持しつつ、具体的なアクションも含めて現状に即した形への見直しに取り組んでまいります。

■令和7年度

 事業計画

1 基本方針

 問屋街活性化、競争力アップのため一商社ではできない諸施策を実施し、来街されるお客様と会員商社の繁栄に資することを変わらぬ基本方針といたします。このために近隣友好団体並びに関係諸官庁と協力、協調し諸施策の円滑な実施を図ります。

 会運営にあたっては必要な投資を行うことはもちろんですが、実際の活動にあたっては事務局と共に、価値ある費用の支出になるよう努めます。

2 重点施策

(ア)会員商社への会員サービスの充実

 外部講師による講座、講演会、勉強会、また研修会を行い、各商社に有意義なできる限りの情報を提供する。

(イ)新規会員商社の勧誘

①奉仕会入会のメリット(yhカード)のアピール

②奉仕会入会のメリットの発案

(ウ)既存のお客様へのサービスの提供

①新聞等を通じて、各商社の売り出し、売れ筋商品の情報提供

②yhカード新規会員の勧誘で非接触化及びキャッシュレス化を進める

③利便性を高めるYYパークの利用をお願いする

(エ)奉仕会の収支の安定

①奉仕券収入に代替し得る新たな収入確保を模索する。

②長期の収支安定化を目指す